日本はインドの一部路線で新幹線導入を前提とした協力覚書を交わしたが、中国メディアの今日頭条はこのほど、「インドは高速鉄道で日本にぼったくられた」などと主張しつつ、中国高速鉄道にとって競合にあたる新幹線が収めた成功に悔しさをにじませた。
インドはムンバイとアーメダバードを結ぶ約505キロメートルの区間で新幹線方式の導入を計画しており、日本は総事業費約1兆8000億円のうち、1兆円の円借款を供与する方針だ。だが記事は、日本がインドに提示した条件は、中国がインドネシアに提示した条件とは「比べ物にならない」ほど劣っていると主張。日本は総投資額の60%を円借款によってインドに「貸す」だけで、インドは長期ローンで新幹線を購入したようなものだと主張したうえで、中国がインドネシアに提示した総投資額の90%を負担という条件には「大きく劣る」と主張した。
続いて記事では、それでもインドが日本を選択した3つの理由を分析。まず、日本が2011年から調査を開始したのに対して中国は参入が一足遅れたこと、次いで成熟した新幹線の技術と安全性が魅力的だったこと、さらに日本がインドネシアでの失敗から教訓を得て、「条件を変えてきた」ことがあるとした。つまり、無担保での円借款供与と、インドでの合弁会社による車両製造に同意して、インド製の新幹線の実現に希望を持たせたためだという。
記事は、今回中国は日本に敗れたものの、「インドが中国高速鉄道を拒絶したわけではない」と主張。インドのモディ首相は、日米の合同軍事演習に参加しながら中国とも演習を行うような「来るものを拒まない、八方美人」であるため、次の計画では中国を選択するかもしれないと期待を寄せた。
記事が中国の成功事例として挙げているインドネシアの高速鉄道計画では、契約調印に中国が当初とは異なる条件を持ちだしたとの報道もある。インドのことはさておき、中国はまずインドネシアでの高速鉄道計画を確実に成功させることが先決であろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Jaroonrat Vitoosuwan/123RF.COM) /*snsボタン*/