Searchina

メニュー

ビジネス

【コラム】建機需要反転、急変する需給関係

2017-03-21 13:10

誰も知らない中国調達の現実-岩城真

 ここにきて、長らく冷え込んでいた建設機械需要が底を打ち、上向きはじめた。もちろん、リーマン前の状態に一気に戻ったわけではない。在庫整理が終わり、売れた分の在庫補充にすぎないとの見方もある。しかし、需要復調の建設機械部品サプライヤーの動向は、日中で大きく異なっている。

 元々建設機械部品の需要は、浮き沈みが激しかった。そのため、日本の建設機械部品サプライヤーは、建機需要が落ち込むたびに“脱・建機”の営業展開を計ってきた。しかしながら、実際のところ、異業界の顧客をつかまえることは容易ではない。素人目には、類似の加工であっても図面表記や品質要求の肝、発注システムも異なる。まさに常識が違うのである。多くのサプライヤーが、建機部品の需要が落ちこんでいる間は、無理して異業界の顧客と取引をしていても、建機部品の需要が回復すると、いつのまにか建機依存に戻っていってしまう。これを何度も繰り返してきた。ピーク時の半減まで落ち込むことを何度も経験している。多くのサプライヤーが歯を食い縛って何年か耐える、これが日本の建機部品サプライヤーの実像である。ゆえに今般のように需要が一気に回復すると少々の混乱はあっても、どうにか需要をちゃんと取り込める。

 一方の中国のサプライヤーは、このようなときに日本のサプライヤーのようにはゆかない。需要の落ち込みがあると、早々に従業員解雇(雇用契約を更新しないも含む)はもちろんのこと、工場を大幅に縮小(工作機械を売り払う、レンタル工場ならば賃貸契約を打ち切り、自社工場ならば一部を賃貸する)することもざらである。それでも、企業が残っていれば良いほうで、企業そのものがなくなったり、まったくの異業種に鞍替えしていたりする。日本のように悠長ではない。もちろん、立ち上げのときも速い、但し、それは“枠”造りの速さである。建屋を用意し、工作機械を揃え、作業者を集める、そこまでは、ほんとうに速い。しかし、その先は、目論見通りにはゆかない。バイヤー企業とサプライヤーのエンジニアが築く品質や工程などの生産管理は、そう簡単には、再構築できない。リーマンショック後の1年間の空白を取り戻すために数年を要したことを、筆者自身経験している。

 そもそも中国サプライヤーは、なぜ日本のサプライヤーのように数年間の辛抱ができないのだろうか。それは辛抱できないのではなく、ビジネスに対する価値観が異なるからだ。日本では、「××一筋○十年」というものが、信用になるし、敬意にまで繋がる。一方、中国では、その時々で、自らのリソースから最大の利益を生むビジネスは何か? という発想からビジネスに入っている。もっと突き詰めれば、“ものづくり”が好きで製造業を営んでいるのではなく、自らのリソースで、最も稼げるのが“ものづくり”であったにすぎないから板金屋のオヤジが、次に会うとホテル経営者になっていたりするのである。筆者の個人的な経験では、この傾向は、中国のなかでも華東から華南で強く、逆に東北地方(旧満州地区)では、「××一筋」や「“ものづくり”が好きでやっている」といった日本的な発想の経営者も多いように感じている。

 建機部品需要の回復で、右往左往を余儀なくするのは、建機関連メーカのバイヤーに限ったことではない。既述のように“脱・建機”の営業戦略に乗っても元々の建機部品サプライヤーと取引を開始したバイヤーもウカウカしてはいられない。現在の関係が、ほんとうにWin-Winになっていなければ、元の鞘に戻ってしまう可能性は大きい。仕事の薄いサプライヤーの弱みに付け込むようなことをやっていれば、そこまでの関係で終わる。日本的に考えれば、件のような景況の山谷を乗り越えているから長い取引には、価値があるということになるのだろう。 /*snsボタン*/


 

フュートレック、後場急伸・・・GPS連動多言語ガイドシステムを長崎バス観光が採用

フュートレック、後場急伸・・・GPS連動多言...

IIFはストップ高買い気配、名鉄との業務提携を好感

IIFはストップ高買い気配、名鉄との業務提携を好感

西菱電機、一時ストップ高・・・LTE対応の車載型業務用IP無線機を発売へ

西菱電機、一時ストップ高・・・LTE対応の車...

不二サッシは急伸、17年3月期の純利益予想を上方修正

不二サッシは急伸、17年3月期の純利益予想を...

北川精機は一時ストップ高目前、17年6月期利益予想の上方修正が刺激材料に

北川精機は一時ストップ高目前、17年6月期利...


Copyrightc Morningstar Japan K.K. All Rights Reserved. トップ