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「一地両検」実現へ最終段階 高速鉄道は98%完成=香港ポスト

2018-01-12 17:38

 全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は昨年12月27日、「広深港高速鉄路(広州—香港間高速鉄道)西九龍駅に設置する税関・出入境管理所での『一地両検』実施に関する中国本土と香港特区の協力措置を承認する決定」を可決した。今年第3四半期の高速鉄道開通に向けて特区政府は最終段階として2月に立法会に「一地両検」草案を提出するが、非親政府派は依然として実現を阻止する構えだ。(編集部・江藤和輝)

 林鄭月娥・行政長官は昨年10月3日、「一地両検」に関する拘束力のない政府議案を25日に立法会に提出することを明らかにした。議案内容は7月25日に発表した「『一地両検』を3段階で実現する提案」に基づくもので、2018年第3四半期の開通時に西九龍駅で「一地両検」を実施できることを目標とする。

 林鄭長官は「多くの機関による調査で一地両検案が過半数の市民の支持を得ている。市民も一地両検が1国2制度を破壊することを心配していない」と述べ、議案が立法会で大多数の支持を得られるとの自信を示した。議案可決の後、(1)中国本土当局との協力措置の交渉(2)全人代常務委の批准・確認(3)現地立法作業――という3段階プロセスで推進。2月に立法会に草案を提出し7月の休会までに通過させる予定だ。

 立法会に提出された「高速鉄道の『一地両検』を支持する拘束力のない政府議案」は11月15日に可決。非親政府派による議事妨害で26時間を費やしたものの、実質的な審議はわずか8時間半だった。ただし政府関係者や親政府派は議事妨害による実質的な影響はさほど大きくないと指摘し、世論が「一地両検」支持に傾いていることを反映したとみている。11月初めに行われた「一地両検」反対集会には約200人しか集まらなかった。可決により「一地両検」推進の3段階プロセスが正式に開始された。

 特区政府は11月18日、広東省政府と高速鉄道の「一地両検」実施に関する協力措置に調印。調印式は礼賓府で行われ、林鄭長官、広東省の馬興瑞・省長、国務院香港マカオ弁公室の黄柳権・副主任らが出席。協力措置は西九龍駅の税関・出入境管理所を香港側と本土側に分け、本土から出入境審査機関、税関、検査検疫機関、出入境管理所総合管理機関、鉄道公安機関の職員を派遣し、本土側の法律に基づき本土側エリアで職務を履行する。林鄭長官は記者会見で「一地両検」実現に向けた3段階のうち第1段階が完了し、第2段階としてこの協力措置を全人代常務委に批准・確認してもらうと説明した。

 全人代常務委は12月27日、「広州—香港間高速鉄道の西九龍駅に設置する税関・出入境管理所での『一地両検』実施に関する中国本土と香港特区の協力措置を承認する決定」を可決した。この決定は特区政府と広東省政府が調印した協力措置を承認し、同措置が憲法と基本法に符合することを確認するものだ。

 全人代常務委の李飛・副秘書長は記者会見で「西九龍で一地両検を実施することで香港特区の範囲や香港と本土の出入境管理制度は変わらず、香港市民の法に基づく権利と自由や香港特区の管轄権は削がれない」と指摘。全国的法律を香港に適用しないことを定めた基本法18条に違反するかどうかについては「本土の法律は本土側エリアに限定して実施するため、18条の示す全国的法律を香港特区全体で実施する状況とは異なる」として、全人代香港代表選挙の制度と同じと説明した。

 特区政府も同日記者会見を行い、袁国強・司法長官(当時)はもともと検討していた「基本法20条を運用して中央政府が特区政府に『一地両検』実施を授権する方式」を採用せず、全人代常務委による承認として処理する方が適切と説明。香港基本法委員を務める香港大学の陳弘毅・教授は1月8~9日付『明報』に寄稿し「本土側エリアの場所は賃貸などの形で本土関連部門に提供するもので、基本法7条で享受できる権利に基づく。このため全人代常務委は基本法20条を運用する必要はないとみなした」と解説している。

■基本法めぐる議論やまず

 香港経済民生連盟(経民連)青年事務委員会と工商・専門・青年組織34団体が結成した「一地両検関注連盟」は1月3日、特区政府運輸及房屋局の陳帆・局長と約2時間にわたり会談し、同連盟が全人代常務委の決定を支持し、できるだけ早く現地立法を完了し第3四半期の開通を確保すると表明した。

 同連盟はより多くの都市に香港から直接乗り入れられるよう特区政府が本土の関連部門と協議することや、香港と広東省を往復する旅客には定期券を発行するなどで割安運賃を設定することを提唱したほか、あるメンバーは「一地両検」が高速鉄道の効率を最大限に発揮し、香港の若者の本土での進学、就業、起業や、粤港澳大湾区への融合に有利になると指摘した。

 だが全人代常務委が決定を下した翌12月28日、香港大律師公会は同決定に対して「法的根拠がない」「基本法18条に違反」「基本法実施の最大の後退」との非難声明を発表。民主派団体の民間人権陣線が行った1月1日の新春デモ行進でも「一地両検」への反対を主要テーマに動員が図られ、参加者数は主催者発表で1万人、警察の推計ではピーク時約6200人で、いずれも昨年を上回った。

 「一地両検」に関する議論は依然としてやまず、全人代常務委の決定は香港の普通法か本土の大陸法のどちらの法理で理解すべきかとの論争も巻き起こっている。1月8日に香港大会堂で行われた18年法律年度開始式典では、終審法院(最高裁判所)の馬道立・首席法官が香港の法律制度は普通法だと強調し「基本法の条文はすべて普通法制度とだけ関係ある」と述べたが、鄭若〓・司法長官は「基本法は単一体制国家での2つの法律制度をまたいだ法律で、大陸法を行使する立法機関が頒布し、普通法を実施している司法管轄区内で運用する」と指摘し、客観的に法律問題を分析すべきと語った。【〓は、馬へんに華】

 8日に香港電台(RTHK)の番組に出演した全人代常務委員の范徐麗泰氏は「大律師公会は普通法の観点で基本法を理解しているが、基本法は香港の立法機関ではなく全人代で採択された中国の全国的法律であり、普通法の観点では読み解けない」と指摘した。

 香港鉄路公司(MTRC)の馬時亨・主席は12月31日に夜勤職員の激励に訪れた後、高速鉄道の建設工事は98%完成し、9月末には開通が可能との見通しを明らかにした。ただし「一地両検」が実現できなければ高速鉄道は開通できず、「MTRCはBプランを用意していない」と強調。このため、できるだけ早く現地立法が完了することを望むと語ったが、予定通り開通にこぎ着けられるかどうかは未知数だ。(情報提供:香港ポスト)(イメージ写真提供:123RF) /*snsボタン*/


 

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