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【書評】『お金の未来年表』 ~キャッシュレス社会でこれから起こること 朝倉智也

2019-07-05 18:12

 街中のいたるところで「○○ペイ」の表示が目立ち始めた。世の中は、スマートフォンをかざすだけで支払いが完了する「ペイ時代」になってきた。クレジットカードやSuicaなど電子マネー型のプラスチックカード決済と合わせると、現金を持ち歩かずに生活することも可能になっている。いったいこれから私たちのお金はどうなってしまうのだろう? ――この疑問への答えが本書『お金の未来年表』だ。著者は、資産運用の指南役としても著名なモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏。「ブロックチェーン」「デジタルコイン」「情報銀行」など、新技術やサービスが、私たちの生活の何を変えるのか。これから15年の変化を見通す未来予想図が分かりやすく解説されている。
 
 「○○ペイ」は利用還元の大判ふるまいで、利用者の拡大に躍起になっている。10月に予定される消費増税で、キャッシュレスで決済した場合に最大で5%の還元が受けられる「キャッシュレス・消費者還元事業」も設け、「現金決済よりキャッシュレス決済がお得」というムードづくりを経済産業省など国が率先して行っている。キャッシュレスのメリットは、紙幣や硬貨のやり取りをなくすことによる支払いの効率化だけではない。むしろ、キャッシュレスの普及は世界中で起こっている金融の大変革=フィンテック(FinTech)に、日本が乗り遅れずに、次世代型の新たな産業を育成する上でカギになる取組みと目されている。
 
 キャッシュレス化の進展は、単に、「お金の支払いが便利になる」ということに留まらない。「お金」がデジタルデータとなり、支払い履歴が収集・蓄積されることによって、私たちの生活に大きな変化をもたらすことになる。もちろん、その変化は、一朝一夕に起こることではない。段階を踏んで少しずつ、しかし、着実に進展する。
 
 本書は、これから日本で起こるであろう変化を、時系列で繰り広げて見せてくれる。東京オリンピックの2020年まで。そして、オリンピック後の5年間。朝倉氏は2022年には街から紙幣と硬貨が完全に消えると予告する。全ての決済がデジタル化された後で始まる情報の収集と、その情報を管理する「情報銀行」の役割が増大する。
 
 さらに、5G(第5世代移動体通信網)が整備され、自動運転が当たり前になる2030年までの5年間。そして、もはや会社の給与すらデジタル通貨で支払われることが当たり前になるであろう2030年からの5年間。本書が描き出す2035年の世界は、本当に実現するのだろうか?
 
 朝倉氏は、インターネットが本格的に普及して約20年、スマートフォンの誕生からわずか10年であるにも関わらず、私たちの生活がインターネットやスマホがないと考えられないほどに変わってしまったことを例に、「キャッシュレス化」は瞬く間に私たちの生活に浸透すると見通す。本書によって、これからおこるお金の変化に備えたい。これからの金融界や社会に訪れる大きな変化を予測する書でもあるだけに、就活中の人にも一読を薦めたい書籍だ。(発行:SBクリエイティブ、定価:本体830円+税) /*snsボタン*/


 

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