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<最優秀ファンド賞>純粋に長期投資を追求する「ロイヤル・マイル」、10年先の市場を切り開くディスラプターの魅力

2021-03-03 11:16

 三菱UFJ国際投信が設定・運用する「ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド(愛称:ロイヤル・マイル)」がファンド オブ ザ イヤー2020の国際株式型(グローバル)部門で最優秀ファンド賞を受賞した。2020年のトータルリターンは83.47%と、類似ファンド分類平均を80.17%上回り、類似ファンド分類内トップの成績になった。運用の効率性を測るシャープレシオも3.19と、類似ファンド分類を3.08上回り、こちらもトップの成績だった。同ファンドの特徴と運用状況について三菱UFJ国際投信の外部委託運用部 株式・リートグループファンドマネジャーの岩上明義氏(写真:右)と、同ファンドの実質的な運用を担っているベイリー・ギフォード・インベストメント・マネジメント(ヨーロッパ)リミテッドの小宮健一氏(写真:左)、松原衣里氏(写真:左から2人目)、岩澤一史氏(写真:左から3人目)に聞いた。

 ――昨年の運用を振り返り、どのような投資判断がパフォーマンスにつながったのでしょうか?

小宮 昨年1年間を振り返ると、売買回転率は15%程度でした。市場が急落すると市場参加者の間で不透明感が高まり、急落局面ではアンダーパフォームするケースが多いのですが、今回は急落局面でも市場平均をアウトパフォームし、その後の反発局面でも市場をアウトパフォームするという結果でした。コロナ前後でポートフォリオの内容を変えていません。ポートフォリオは、ディスラプター(既存の業界秩序などを破壊する新興企業)が中心です。

 ――ベイリー・ギフォード社は100年以上の歴史があり、10年先を見据えた長期投資で成果を上げています。ベイリー・ギフォード社の運用哲学は?

小宮 投資哲学は、長期的に株価はファンダメンタルズに従って動くということです。個別企業の利益やキャッシュフローの成長性に注目し、卓越した銘柄を選べば結果として大きなアウトパフォームを得られるということだと思っています。

 当ファンドは日本では2年前に設定したばかりですが、この運用自体(ロングターム・グローバル・グロ-ス=LTGG)は2004年以降、16年にわたって運用実績があります。LTGGのアプローチはベイリー・ギフォードの最も代表的なアプローチだといえます。

 運用の特性は、「ロングターム」「グローバル」「グロース」という3つの言葉が象徴しています。まず、「ロングターム」ですが、たとえば、現在、NYSEの売買回転率を逆算して平均保有期間を推定すると1年未満になり、短期的に売買している投資家が増えていますが、ベイリー・ギフォードは長期投資を有言実行しています。5年、10年以上の期間を意識しています。

 「グローバル」は、ベンチマークには全くこだわらないという意味です。ベンチマークに関係なく世界中の株式を対象に銘柄発掘を行い、選択し、ポートフォリオを構築しています。そもそもベンチマークには、伝統的な大企業が多く、伝統的な大企業は多くの場合、ディスラプターの攻勢を受けてしまいます。ベンチマークを意識すると伝統的な大企業を大量に保有してしまいます。グローバルな視野で世界中の魅力的な銘柄を発掘しています。

 「グロース」については、成長性を徹底的に追求します。株価が5年で5倍になる潜在成長力が期待される銘柄を選ぶようにしています。株価のダウンサイドは最大で100%ですが、アップサイドは無限大です。

 一貫した10の枠組みのもとに企業を評価しています。欧州では2020年に第2次金融商品市場指令(MiFID2)が出されて、リサーチ無料提供禁止が徹底されましたが、それより2年早く、全ての調査に調査費用を支払っています。卓越した経営陣、ビジョンのある創業者、未上場企業への投資を通じた上場企業への洞察などを重視しています。最近は、エジンバラ大学、ケンブリッジ大学、清華大学、アメリカのサンタフェ研究所などのAI、ゲノムなどの研究に助成し、学術的なフィードバックを得ています。

 ――企業を選択するポイントは?

小宮 調査の枠組みである、10のチェックポイントは、産業背景、競争優位、経営陣の質、財務、バリュエーションなどに基づく枠組みです。徹底的に調査し、議論を行っていますが、すぐに結果が出ない場合があります。調査を開始してから投資を実行するまでに1年、2年かかるケースもあります。

 もちろん、投資には失敗もありますが失敗例を全部合わせても、たった1銘柄の成功によって十分なパフォーマンスになります。成功銘柄としては、アマゾンやテスラなどが代表例です。このファンドのパフォーマンスに大きく貢献した銘柄は、ドローダウンがたいてい5割以上の大きな下落があります。株価の下落を恐れずに投資しています。

 株価が下落した時を含め、保有銘柄の見直しをする際、ファンドマネージャーがあえてネガティブな見方でレポートを書きます。10のチェックポイントのフォーマットを使ってレポートを書くのですが、作成したレポートを以て、我々の考えは本当に正しいのかということを徹底的に議論し、保有を継続するかどうかを決めています。アマゾンもテスラもネガティブレポートの作成と議論を経て保有を続けています。このようなプロセスをしっかりと実践して運用しています。

 ――テスラは株価が昨年1年間で8倍以上に値上がりしました。テスラの評価をどのように考えていますか?

松原 テスラを調査し始めたのは、テスラがスタートアップとみなされていた頃です。その頃から、経営陣と何度も対話し、社内の議論も繰り返して組み入れることを決定しています。当ファンドでも組み入れていますが、主に株価の値上がりによってファンドの中での保有比率が高まって、今ではトップになりました。テスラの株価急上昇の中でも、運用チームは、この水準から5倍になるのかということをゼロから再検証し、その上で保有を継続しています。

 CEOのイーロン・マスク氏はテスラの創業以来、「サステナブル・エネルギーへの社会の移行を助ける」という目標を掲げています。電気自動車だけでテスラを評価すると、創業時のアマゾンを書籍のオンライン販売の会社だと評価付けることと等しいと思います。LTGG戦略では、イノベーションを起こし続ける能力こそが価値があると考えます。昨年のテスラの販売台数は50万台に大きく伸びたとはいえ、トヨタやフォルクスワーゲンの1000万台と比較すると社会への貢献度は小さいということです。テスラがミッションを達成するには、まだまだ大きな成長余地があると考えています。

 従来の自動車は1台当たりの収益率が6~7%のところ、電気自動車は10%を大きく超える利益率が可能になり、今後、5年、10年で考えるとテスラの成長はまだまだ可能であると考えます。テスラは、マスク氏のツイッターでの発言内容や四半期決算が目標に対して良かった悪かったなどの結果で株価が動きますが、短期の動きは長期の成長見通しには関係がないと考えています。

岩澤 今は、マスク氏は自動車事業に集中していますので、電力や蓄電事業は小さな規模でしかないのですが、マスク氏は過去に、電力・蓄電事業は自動車事業以上に大きな潜在成長力があると言っています。将来的には、このような事業でも大きな収益貢献が期待できると考えられます。

岩上 私どもが運用を委託する海外の運用会社は少なくないのですが、ベイリー・ギフォード社ほど、長期的なものの見方を運用に取り入れているところはなかなかないと感じています。長期投資が企業文化としてしっかりと根付いていることはもちろん、パートナーシップ制という組織形態を採用し、外部株主からの短期的な利益追求圧力を受けないという点も同社の非常に強みのある点だと考えています。

 ――今後のファンドの運用の見通しを教えてください。

松原 運用チームは次の成長株投資のアイデアが出てきていて、ここ数カ月は、新しい投資対象銘柄に対して、現在の保有銘柄が成長性で勝てるのかどうかという突合せを活発に行っています。これは通常と同じ活動です。今後の5年、10年先を見て運用をしています。

 ――最後に当ファンドの受益者の方、投資を検討している投資家の方へのメッセージをお願いします。

小宮 既存の投資家の方々には、長期的に保有をしていただきたいと思っています。常に5年、10年という将来を見て運用をしていますが、その過程では、非常に大きなドローダウンを経験することもあるかもしれません。それを経て投資リターンとして報われることになると思います。創造的破壊は世の中のいろんなところで起こっており、長期投資が日本の投資家の方々にも浸透し始めていると思います。この動きに私どもも貢献していきたいと思っています。

岩上 ベイリー・ギフォード社は、どの担当者にお話を伺っても長期的な目線で物事を捉えるということが一貫しており、まさしく長期投資を体現している会社といえます。株価には上下動があり、割高に感じられてくるとどうしても売りたくなったりするものですが、同社はいかに辛抱強く銘柄を持ち続けるかということに徹します。そのような決断はなかなか出来るものではありませんし、可能にするためには裏付けとなる調査能力や雑音に惑わされない運用能力が不可欠です。同社はこのような様々な魅力を兼ね備えた会社であると考えています。従来の投資の目線とは異なった、より先を見据えた投資を行っている当ファンドを、ぜひ幅広い世代のお客様の選択肢の一つとして頂けますと幸いです。(情報提供:モーニングスター社) /*snsボタン*/

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